効果測定3指標を1枚に並べ替える — 導入1か月目の総点検を「初回比較の続き」で読む設計
前回は、商談5分前のメモをAIが5箱に振り分ける設計を書きました(商談5分前のメモをAIが5箱に振り分ける)。増し1本目(商談の質)・2本目(リストの鮮度)・3本目(次の商談の準備)で、守った余白の使い道が3方向に固定されました。
増し編が一段落したので、今日は導入1か月目の総点検です。3つの増しを入れた状態で、効果測定3指標がどう動いたかを、初回比較レポートの続きとして読み直します。
総点検の形 — 新しいレポートではなく、同じ表に1行を足す
初回比較レポート(導入効果を4週間で数字にする)では、「導入前の4週間」と「導入後の4週間」を1枚の表に並べました。総点検で作るのは新しい表ではなく、同じ表の構造を保ったまま、期間のつまみを28日ずらした1行です。
| 期間 | 準備工数(1商談あたり) | 商談数(週あたり) | 提案数(週あたり) |
|---|---|---|---|
| 導入前4週 | (推計) | (GAS集計) | (Gmail検索) |
| 導入後4週(初回比較) | |||
| 導入後4週(増し込み・今週) |
3行目が総点検の行です。初回比較との差分に、増し3本の効果が混ざって出てきます。混ざったまま読むと原因が分からないので、読み方を先に決めておくのがこの記事の核です。
読み方1: 準備工数 — 「5箱で読む5分」は別枠で集計する
初回比較の準備工数は、商談前にざっと読み返していた時間を「1枚に絞る」工程で削りました。今週の行には、商談5分前の読み5分も同じ欄に足し込まれています。
ここで欲を出して「AI振り分け1分+読む5分」を別欄にしないこと。指標は3つで固定(効果測定は3指標で回す)が、内訳の注記は1行足してよい。
準備工数96分の内訳: AI振り分け1分×7+読み5分×7=42分/週(5箱メモ分)
こう書いておくと、翌月に工数が膨らんだとき、「振り分けの精度が落ちて読み直しが増えた」のか「商談数そのものが増えた」のかを注記1行で切り分けられます。総点検では工数の絶対値より、この注記が先に出る。
読み方2: 商談数 — 増し1本目の「遅い・外れる・聞けない」直しは、商談数に直接出ない
増し1本目で直したのは、商談の扱い方でした。診断15行の棚卸しから「遅い・外れる・聞けない」のどれか1つを直す増し方です(守った余白を商談の質に変える)。
総点検で見るのは、商談数の増減そのものではなく、「聞けなかった1つ」を聞けた回数です。5箱メモの3番の箱(聞きにくい1つ)が、運用表の右端に「聞けた/聞けず」の1列を足して記録されているはずです。
- 月に4回以上「聞けた」→ 準備の質が商談に入っている。商談数が横ばいでも増し1本目は効いている
- 月に1回以下 → 5箱の振り分けが素材の末尾に沈んだ質問を拾えていない。振り分けルールの箱3の文言を直す
商談数は季節と商材の波を含む(初回比較でも断定しなかった規律どおり)。総点検で商談数を「増えたから成功」と読むのは、原因の断定と同じ誤りです。
読み方3: 提案数 — リスト鮮度と5分準備の合流点
提案数の行には、増し2本目と3本目が合流して出ます。
- リストの鮮度管理(1ヶ月で腐るのはリストの中身)で、月曜朝30分の週次運用が回り始めた
- 商談5分前の準備が、提案書を書く前の「今日初めて出す数字」の1行を安定して用意できるようになった
この2つは「提案を送った日」の数字として1本に合流します。総点検では、提案数が初回比較から横ばいでも、1提案あたりの作成時間が減っていれば前進として読みます。
| 見る場所 | 効く増し | 読み方 |
|---|---|---|
| 準備工数の注記1行 | 増し3本目(5箱) | 振り分け1分+読み5分の別枠集計で膨張原因を切り分け |
| 運用表右端「聞けた」列 | 増し1本目(商談の質) | 商談数でなく聞けた回数で判定 |
| 提案数+作成時間の注記 | 増し2本目(リスト鮮度) | 横ばいでも1件あたりの時間減を前進と読む |
検算 — 総点検の所要
総点検そのものの工数を数えておきます。
- 表のつまみを28日ずらす+注記2行の書き写し: 10分
- 「聞けた」列の4週分を運用表から数える: 5分
- 1on1での画面共有3分(初回比較と同じ出し方)
合計15分強。これを毎月の作業にできないのは、導入1か月目の失敗として残ります。総点検が15分で終わること自体が、3つの増しが正しく入った証拠です。もし1時間かかるなら、増しのどれかが「読み返す」方式に戻っていないか、表の3行を開いて確認します。
前回の5箱メモは、商談素材から事実だけを箱に振り分けるプロンプトで動いています。素材の丸呑みをやめて「事実と推測を分ける」ところが最初の工程でした。
総点検の行も同じです。4週分のログをそのまま貼って「傾向を要約して」と書くと、推測を含んだ綺麗な文章が返ります。代わりに、AIに渡すのは表の数字と内訳の注記だけにします。
次の表は導入比較の3行です。この表についてのみ回答してください:
1. 各行の差分を「増えた/減った/横ばい」の3値で言い表す(理由は書かない)
2. 注記2行をそのまま引用する(言い換え禁止)
3. 差分の見どころを1文で(表にない数字を足したら打ち切り)
出力はこう返ります。
準備工数: 減った(初回96分 → 今週89分)
商談数: 横ばい(5.8件 → 5.6件)
提案数: 横ばい(2.5件 → 2.4件)、1件あたり作成時間は34分 → 26分
見どころ: 初回比較では工数が2/3になったが、今回も同じ水準を保てている
「商談が減っているのは季節のせいですか」のような表にない質問への答えは返ってこない。返ってきたら振り分けルールが効いていないので、表の貼り間違いを疑います。総点検はこの10行で終わりです。
まとめ
- 総点検は新しいレポートでなく、初回比較と同じ表に「増し込み4週」の1行を足す
- 準備工数は5箱分(振り分け1分+読み5分)を注記で別枠集計し、膨張原因の切り分けに使う
- 商談の質は商談数でなく「聞けなかった1つ」を聞けた回数で判定する
- 提案数は横ばいでも1提案あたりの作成時間が減っていれば前進
- 総点検の所要が15分強を超えたら、増しが「読み返す」方式に戻っていないか確認する
次回
総点検で3行の数字が揃ったら、次は数字を上長報告の形に整える回です。A4申請書で承認を取ったときと同じく(経営層を説得する数字)、月次の報告1枚はAIに書かせ、書かせ方の型を残します。
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