速水拓真 営業×AI 実践シリーズ
Zenn

2人の月次報告は箱で合わせる — ▲確認と保留の中身だけを1行で照合する合流

初出: Zenn

前回では、降格表に2人目の記入欄を足したときに行数を2倍にしない整列を定め、▲確認と保留の見直しをどちら1人の担当に集めるかを決めました。今回は、整列して並んでいる2つの欄を1枚に合流するときの、照合の1行を作ります。

課題:合流のときに調べる件数が増える理由

2人の欄を1枚に合流する工程で失敗が同じところから起きます。2つの内訳を列として並べると、同じ箱の話が2行に散らばるためです。

  • A欄に「障壁の箱:▲確認」とあり、B欄に「障壁の箱:保留」とあるだけでも、表の上では別の箱に見えます
  • 内訳をそのまま縦に足すと、同じ箱を2回数えた1枚ができあがり、月次の行数が2人ぶんに戻ります
  • 処遇が一致している箱まで1行ずつ照合しようとすると、調べる件数が全箱ぶんに増えます

合流で必要なのは全箱の突き合わせではありません。扱いが分かれた箱だけを見つける1行です。処遇が一致した箱は、2人が同じ基準で回った証拠なので、件数として数えるだけで十分です。

道具:箱ごとの突き合わせプロンプト

2つの欄の内訳をそのまま渡して、箱名の結合から分かれの分類、検算までを1回の依頼でさせるのが道具の仕様です。箱名を直してから照合する工程を手作業に置くと、表記ゆれを2回扱うことになって事故が増えるため、統一と抽出までを先に委ねます。

次の2つの欄は、同じ1か月分の商談を2人の担当者がそれぞれ書いた月次報告です。
2つの欄を箱ごとに突き合わせて、扱いが分かれた箱だけを出してください。

- A欄(確認担当)とB欄(保留担当)の内訳を、箱名で結合します
- 箱名は略称・敬称・全角半角などの表記ゆれを統一してから結合します
- 処遇(▲確認・保留・通過)が一致した箱は、名前を1グループにまとめて件数だけ数えます
- 処遇が分かれた箱は、1箱1行で次の形に出します
  箱名|A欄の処遇|B欄の処遇|分かれの種類|決め方の候補
- 分かれの種類は「確認側が先に進めた」「保留側が止めた」「処遇の語が違う」の3つに分けます
- 決め方の候補は、両方の欄に書かれた根拠の語だけで1文にします。欄の外の情報は使いません
- 出力の最後に、一致した箱の件数と分かれた箱の行数の合計が全箱数と一致するかの検算を出します
- 検算が合わないときは「表記ゆれ残り」と1行で報告します

出力の形と読み方

合流前の2人の欄(各16行)を渡したとき、道具は1つの表を返します。

一致した箱: 14箱(▲確認8・保留4・通過2)

分かれた箱の行
障壁の箱|▲確認|保留|保留側が止めた|B欄の「理由を1行で足す」記法に、A欄の根拠を1行で圧縮する
返事待ちの箱|保留|▲確認|確認側が先に進めた|A欄の「いつまで待つ」の1行を、確認手順の先頭に置く

検算: 14+2=16(A欄16行・B欄16行と一致)

読み方の核心は、分かれた行の「分かれの種類」までです。処遇の語が同じで中身が違う箱は、確認側が先に進めたのか、保留側が止めたのかで、合流後の扱いが変わります。

  • 保留側が止めた箱 → A欄の根拠をB欄の記法に1行で圧縮して、保留のまま1枚に載せます
  • 確認側が先に進めた箱 → 保留側の期限の1行を確認手順の先頭に置いて、▲確認で載せます
  • 処遇の語が違う箱 → 表記ゆれの可能性が最も高いので、箱名の統一だけをやり直します

検算

合流の品質は1行の式に落ちます。

一致した箱の件数 + 分かれた箱の行数 = 1人あたりの行数

検算が合わないときは、一致件数の数え漏れではなく、箱名の表記ゆれが残っていないかを疑います。結合前の統一をプロンプトの先頭に置いたのは、この1行のためです。合流後の1枚の行数が1人ぶんに収まれば、整列で決めた「行数を2倍にしない」の条件も、合流側で自動的に満たされます。

所要時間

2つの欄を渡して突き合わせ1回が数分です。分かれた箱は月次で0〜2箱程度に収まり、決め方の候補も1行ずつなので、合流の判断込みでも10分以内に1枚になります。

まとめ

  • 2人の欄の合流で全箱を照合すると行数が2倍に戻るので、扱いが分かれた箱だけを1行で調べます
  • 箱名の表記ゆれの統一から分かれの分類、検算までを1回の依頼にまとめます
  • 一致した箱は件数で数え、分かれた箱は種類に応じて1行で並べます。検算が合流後の1枚の行数を保証します

次回

合流が決まると、降格表は2人の扱いが一致した1枚に変わります。次回は、合流した降格表の2周目・分かれた箱をどう決めるかの1行です。照合で出た分かれに、どちらの担当の1行で決めるか(確認担当が決める箱と、保留担当が止めたまま維持する箱の振り分け)を定めます。はてなブログ(実務編・毎日更新)では運用の細かい手を毎日書いています。

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