5箱の状態は月次報告の1行に足す — 積もりと数字の並び順の設計
商談前メモ5箱の運用では、AIの案をそのまま使う箱と、確認を挟む箱の間を月に数箱ずつ動かします。前回の確認1行は2か月連続の修正ゼロで戻すでは、▲確認つきの箱を2段でAI案へ戻す昇格の条件と順番を扱いました。
降格と昇格を回すと、読み替え表・降格表の両方に「どの箱がどうなったか」の行が積もっていきます。積もり自体は運用の記録ですが、放置すると運用している本人にしか読めません。今回は、この積もりを月次報告1枚の「来月方針1行」に1行で載せる書式と、経営層に見せる数字との並び順を扱います。
1. 積もりとは何の数か
月次に積もるのは、次の3種類の行です。
- 読み替え表の保守行: 月ごとの1行(月・読み替え数・残数差・判断)。読み替え表の保守で毎月1行ずつ足します
- 降格表の行: 降格した箱の行(降格月に1行増える)と、昇格した箱の形の書き換え。行は消さないので、行数がそのまま履歴になります
- 5箱の状態: AI案・〔採用〕・▲確認・保留の4種の箱数。月次の検算(▲の数=降格表の行数、〔採用〕の数=第1段の行数)で数える値そのものです
報告に載せるのは、この3種のうち5箱の状態の箱数と、その前月比です。読み替え表と降格表の行は報告の一次資料ですが、行そのものは載せません。行を載せると、報告1枚の読み手が表の運用を学ばなければ読めなくなります。
2. 来月方針1行の書式
1行は2段で組み立てます。前半は状態の内訳、後半は来月に動かす一手です。
箱の権限: AI案 3・採用 1・▲ 1・保留 0(前月比 ▲ -1)→ 来月は▲の確認を1箱外す
- 状態の内訳: AI案・採用・▲・保留の箱数を「・」で並べます。保留は判断を保留した箱の数で、0のときも書きます(保留が0でない月は、来月の見直し対象が残る合図です)
- 前月比: 月の中で動くのは主に▲の数です。昇格で▲が減り、降格で▲が増えます。「前月比 ▲ -1」だけで、降格と昇格の両方の月の動きが読めます
- 来月に動かす一手: 状態の変化から来月に動かす箱を1つだけ書きます。書けるのは「▲の確認を1箱外す」「懸念箱を1箱降格する」など、月の速度制限(昇格1箱・降格2箱)の内側にある動きだけです
3. 報告1枚の中の並び順
月次報告1枚の型は「表1枚・差分1行・文1本」です。来月方針1行の挿入位置は、表1枚のあと・文1本の前です。
並び順の理由は2つです。
- 経営層は数字の変化を先に読む: 表1枚(3指標)と差分1行で当月の結果を先に読み、そのあとの方針行を「結果の理由と来月の一手」として読みます。方針が数字の前に来ると、根拠のない宣言として読まれます
- 方針行は状態の数だけを扱う: 3指標(導入にかかった時間・商談の数・成約の数など)と箱の権限の箱数は別物です。方針行に3指標の数を混ぜないこと。状態の行は「任せ方の進み具合」だけを伝えます。2つの数字を混ぜると、翌月にどちらの数字が動いたのか読めなくなります
4. プロンプト本体(表の行から方針1行を組み立てる)
月次の検算で数える値は、前回までの記事と同じスクリプトの構造で揃えます。降格表の行と箱別指定リストから状態を数え、方針1行を組み立てます。
# geppo_tsumori.py — 箱別指定から5箱の状態を数え、来月方針1行を組み立てる
STATES = {"ai": "AI案", "saiyo": "採用", "confirm": "▲", "horyu": "保留"}
spec = {
"現状箱": "ai",
"懸念箱": "ai",
"提案の芯箱": "saiyo", # 第1段: 〔採用〕の形
"聞きにくい1つ箱": "ai",
"引き金箱": "confirm", # 降格中: ▲確認つき
}
prev_anchors = {"confirm": 2} # 前月の▲の数だけ使う
def tsumori_line(spec, prev, action):
cur = {k: 0 for k in STATES}
for s in spec.values():
cur[s] += 1
if sum(cur.values()) != 5:
raise ValueError(f"箱の合計が5でない: {cur}")
parts = [f"{STATES[k]} {v}" for k, v in cur.items() if v or k == "horyu"]
diff = cur["confirm"] - prev["confirm"]
arrow = f"前月比 ▲ {diff:+d}" if diff else "前月比 ▲ ±0"
return f"箱の権限: {'・'.join(parts)}({arrow})→ 来月は{action}"
print(tsumori_line(spec, prev_anchors, "▲の確認を1箱外す"))
スクリプトが担うのは数えるところまでです。来月に動かす一手(action)は人の判断で、1行の後半にだけ書きます。
5. サンプル(入力と出力)
上のスクリプトの出力です。昇格したばかりの月で、▲が2箱から1箱へ減った状態を1行で読めます。
箱の権限: AI案 3・採用 1・▲ 1・保留 0(前月比 ▲ -1)→ 来月は▲の確認を1箱外す
報告1枚の中では、次の並びで1行だけ挟まります。
(表1枚: 3指標と当月の値)
(差分1行: 先月比の要約)
箱の権限: AI案 3・採用 1・▲ 1・保留 0(前月比 ▲ -1)→ 来月は▲の確認を1箱外す
(文1本: 当月の出来事と来月の見通し)
6. 検算(報告に出す前に3行)
- 状態の合計 = 5箱: AI案+採用+▲+保留が5にならない月は、降格表の行と箱別指定の対応が崩れています
- ▲の数 = 降格表の▲の行数・採用の数 = 第1段の行数: 昇格の検算と同じ式です。報告の数字は月次検算の転記でしかありません
- 前月比の矢印は速度制限の内側: ▲が2以上減る月は昇格の速度制限(1か月1箱)を超えています。▲が3以上増える月は降格の速度制限(1か月2箱)を超えています
7. 所要時間
月次報告への足し分は月2分です。状態のカウントが1分(検算で数えている値の転記)、来月に動かす一手の文言が1分。月次報告1枚自体の整列は既存の型のままなので、報告の工程はほぼ増えません。
まとめ
- 報告に載せる積もりは5箱の状態の箱数と前月比だけ。読み替え表・降格表の行は一次資料として残し、載せない
- 1行は2段: 状態の内訳(AI案・採用・▲・保留)+来月に動かす一手
- 挿入位置は表1枚のあと・文1本の前。3指標の数字と箱の状態の数は混ぜない
- 報告の数字は月次検算の転記。検算が合っていれば、報告の行も合う
次回
保留は「判断を保留した箱」の行き先で、止めた行は消さずに降格させるの4つの行き先のうちの1つです。保留に置いた箱は、放置すると永遠に保留のまま残ります。次回は、保留箱の月1回の見直しを1行の判定で回す扱いです。再開(AI案へ戻す)と廃止(表から消す)の間を、保留を1か月より長く置かない基準で決めます。はてなブログ(実務編・毎日更新)では運用の細かい手を毎日書いています。
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