確認1行は2か月連続の修正ゼロで戻す — 降格した箱を2段で昇格させる運用の型
商談前メモ5箱の運用では、AIの案をそのまま使う箱から「AIの案+人の確認1行」へ降格させる箱を、月に2箱まで動かします。前回の止めた行は消さずに降格させるでは、降格した箱を置く降格表(箱名・降格形・確認の問い1行・戻る基準)と、読む順番の最後尾から降格する順番、▲確認つきの商談メモ1枚の読み方を扱いました。
降格を続けると、▲の行が下がるたびに商談メモ1枚の中で人間の手が増えていきます。降格は「疑いを置く」工程なので、疑いが晴れた箱を元へ戻す工程が必ず対になります。今回は、▲確認の1行が2か月連続で修正ゼロになった箱をAI案へ戻す、2段の昇格と、昇格の月に降格表・読み替え表のそれぞれの行をどう動かすかを扱います。
1. 昇格の条件(修正ゼロをどう数えるか)
▲確認つきの箱は、商談直前の待ち時間で「1行書き直す」か「修正なし」とメモに残ります。昇格の条件は、この修正なしの記録が2か月連続で続いたことです。
- 数え場所: 商談メモ1枚のメモ欄に残る「確認1行: 修正なし」の記録と、月次に1行だけ載せる箱別の修正カウント。2か月の窓で1回でも「書き直した」が現れたらカウントはゼロに戻ります
- 連続の単位: カレンダーの2か月ではなく、箱の運用が実働した2か月。商談自体が1か月4回以上回っている月だけを数えます(商談がない月は▲を運用していないので、連続に数えません)
- 部分達成: 2か月目の途中で1回修正した箱は、リセットして次の実働2か月で再判定します。途中で1箱だけ達成が早い、という扱いは作りません
条件を箱ごとに1行で固定しておくのが降格表の「戻る基準」列です。残数差ゼロが2か月という文言のまま列に置くと、「読み替えの残数差」と「確認の修正ゼロ」が混ざる恐れがあります。降格表の戻る基準は、▲修正ゼロが実働2か月という語に書き替えて運用します。読み替え表の保守の残数差と列の語彙を分けておくと、同じ検算の月に両方の列を動かしても測定が混ざりません。
2. 昇格の2段の戻し
▲の箱は、確認が外れた日の状態からいきなり「AI案そのまま」へ戻しません。中間の形を一段挟みます。
- 第1段: 確認の形を格上げする。▲確認の問いが付いたまま、確認の行動を「1行書き直す」から「1行採用する」へ変える。箱の値の末尾に「〔採用〕」の印を付け、商談メモの読み順では▲を通常行として読みます。書き直す義務を外し、AIの案を人が1行読んで通すだけの状態です
- 第2段: AI案へ戻す。第1段の実働1か月が「採用:通過」だけで済んだ箱は、降格形を「AI案」に戻します。確認の問い1行と〔採用〕の印を外し、商談メモの整形プロンプトの入力からこの箱の確認指定を削除します
2段に分ける理由は、降格と同じ速さで戻るためです。第1段を挟むと、▲を外した箱が急にAI案へ戻って「外れる」癖が残っていたとき、翌月にまた▲から始められます。確認の重さを、書き直す→読んで通す→読まない、の3段階で月ごとに下げていく設計です。
3. 昇格の順番(降格表の行の上から・月1箱まで)
昇格は、降格表の行を上から(降格した日の古い箱から)1箱ずつ戻します。速度制限は降格と対称で、1か月1箱までです。
- 目安になるのは、▲修正ゼロの実働2か月に達した箱の中での降格の順序です。降格が早かった箱ほど▲に慣れているので、戻しても商談メモの読み方が揺れません
- 複数の箱が同じ月に基準を達成したら、降格表の行の並び順どおり上から1箱だけ処理し、残りは翌月の先頭へ回します(順番を保存するだけで判断作業が毎月同じになります)
- 降格中・保留中の箱が先に動くことはありません。昇格は降格表に置かれた行だけの工程です
参照線との関係は降格よりゆるくてかまいません。昇格は箱の値に付く▲と確認の問いを外すだけなので、参照する下流箱の読み方は変わりません。ただし昇格した箱の問いが読み替え表の行と接続している場合、下流の読み替え行が▲を前提とした文言(「▲確認済みの値を使う」など)になっていたら、同じ月に1行だけ文言を戻します。
4. プロンプト本体(昇格表を渡して出力側で戻す)
昇格の運用も、商談メモの整形工程は変えずに出力側の検証で固めます。降格表の行に「降格形」の列が「AI案」へ戻った箱が現れると、整形の指定から▲を外す必要があります。これは降格と同じスクリプト構造で検証できます。降格表の代わりに当月の箱別指定リスト(箱名・出力形)をスクリプトに渡し、▲が付かない箱に▲が付いていなければ出し直させます。
# shokaku_check.py — 当月の箱別指定と▲の付き方が一致しているかを出力側で検証する
SPEC = {
"現状箱": "ai", # 昇格済み: AIの案をそのまま出す
"懸念箱": "ai",
"提案の芯箱": "confirm", # 第1段: 採用の形(▲の代わりに〔採用〕印)
"聞きにくい1つ箱": "ai",
"引き金箱": "confirm1", # 降格中: AI案+人の確認1行(▲確認つき)
}
memo = {
"現状箱": "月次請求は手動入力で月12件(当月実績)",
"懸念箱": "請求の入力は経理担当の空き時間に集中している",
"提案の芯箱": "請求入力を月初3営業日に半自動化する",
"聞きにくい1つ箱": "経理の担当名をこの場で伺う",
"引き金箱": "来月中旬までに月次請求の担当を1名に集中する、と冒頭で約束する",
"提案の芯箱(確認メモ)": "数字が当月の最新か → 採用",
}
def check(spec, memo):
confirm1 = [b for b, s in spec.items() if s == "confirm1"]
confirm = [b for b, s in spec.items() if s == "confirm"]
lines = []
for box, v in memo.items():
if box.endswith("(確認メモ)"):
continue
line = f"{box}: {v}"
if box in confirm1:
q = memo.get(f"{box}(確認メモ)", "").split("→")[0].strip()
line += f"\n ▲確認: {q}"
if box in confirm:
m = memo.get(f"{box}(確認メモ)")
if not m or "採用" not in m:
raise ValueError(f"{box}は第1段(採用の形)にもかかわらず採用メモがない")
line += " 〔採用〕"
lines.append(line)
return "\n".join(lines)
print(check(SPEC, memo))
整形AIへの直接指定も、箱別に3行で済みます。「▲を付ける箱は確認メモの問いを使う」「〔採用〕を付ける箱は確認メモの結果を末尾に写す」「それ以外の箱は素通し」。降格表の形の列がこの3値です。
5. サンプル(入力と出力)
上のスクリプトの出力です。第1段の箱(提案の芯)に〔採用〕印が付き、降格中の箱(引き金)だけに▲が付いている構造が1枚で読めます。
現状箱: 月次請求は手動入力で月12件(当月実績)
懸念箱: 請求の入力は経理担当の空き時間に集中している
提案の芯箱: 請求入力を月初3営業日に半自動化する 〔採用〕
聞きにくい1つ箱: 経理の担当名をこの場で伺う
引き金箱: 来月中旬までに月次請求の担当を1名に集中する、と冒頭で約束する
▲確認: 確約の言い方が熱すぎないか
第1段以降の読み順は、降格前の順番に戻ります。通常行は素読み、〔採用〕行は読んで通すだけ、▲行だけ商談直前の1行修正。商談5分前メモの読む順番1行の中に、箱の状態が3種並ぶ形です。
6. 検算(昇格が降格の記録と矛盾しないか)
昇格の月次検算は3行です。
- ▲の数 = 降格表の行数: 前回と同じ判定です。昇格で▲が減ったなら、降格表の行数が一致して減っていること(▲だけ残って降格表の行が残る状態=第1段へ動いたのに降格表を直していない)
- 〔採用〕の数 = 第1段の行数: 箱別指定リストの「confirm」箱数と一致していない月は、第1段の実働が記録されていない
- 昇格箱数 ≤ 1(月)・降格箱数 ≤ 2(月): 降格と昇格の合計が3箱超の月は、商談メモの読み方が揺れているので次の月に振り返りの検算を入れる
昇格した箱は降格表の行から消しません。「降格形」の列を「AI案」に書き替えて行を残し、「戻る基準」列に実働月を記入します。降格をした月・昇格をした月・行が全部残るので、読み替え表の保守行と同じ「行は消さない」原則の上に載っています。
7. 所要時間
昇格運用の追加コストは、月5分程度です。内訳は、▲修正ゼロのカウント確認が3分(メモ欄から箱別の行へ写し込む工程)、第1段・第2段の降格表の列書き換えが1箱あたり1分、検算が1分。降格運用の月10分と合わせても、商談メモの箱の権限を動かす工程は月15分で回ります。比較として、読み替え表の保守が月5分、週点検が10分、商談直後の5問が3分です。
まとめ
- 昇格の条件は▲修正ゼロが実働2か月連続。1回でも書き直したらカウントはゼロに戻る
- 戻しは2段: 確認を「1行書き直す」→「1行採用」へ格上げし、第1段の実働1か月のあとでAI案へ戻す
- 昇格の順番は降格表の行の上から・月1箱まで。昇格した行も降格表から消さず、降格形の列を書き替えて残す
- ▲の数=降格表の行数、〔採用〕の数=第1段の行数を月次で数える
次回
降格と昇格を回していくと、読み替え表・降格表の両方に「どの箱がどうなったか」の行が積もっていきます。次回は、月次報告1枚にこの積もりを1行で載せる接続です。5箱の状態(AI案・第1段・▲ confirming・保留)を、月次報告1枚の「来月方針1行」に足す書き方と、経営層に見せる数字との並び順を扱います。はてなブログ(実務編・毎日更新)では運用の細かい手を毎日書いています。
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